《実りの色7》 紫苑色(しおんいろ)

2008.10.13

《実りの色7》 紫苑色(しおんいろ)

◆今年の秋は例年になくパープル系のファッションアイテムが流行していますね。カットソー、ニット、カーディガンやマフラー。赤紫から青紫に至るまで、鮮やかでキレイなパープルが今年の主流です。皆さんはお持ちでしょうか?

◆紫は昔から洋の東西を問わず「高貴で気品のある色」とされていました。また「細胞レベルで私たちを癒してくれる色」だという説もあります。この秋、お気に入りの紫と出会えるといいですね!

◆「紫苑色(しおんいろ)」は、キク科の多年草で秋になると上品な薄紫色の花を咲かせる紫苑(しおん)に由来する色です。実際の花色と比べ、やや赤みが強く鮮やかな色になります。

◆平安の貴族社会で紫は「至上の色」として特に大切にされましたが、紫苑色は当時を代表する紫のひとつで、『源氏物語』『枕草子』など文学の中にも多く登場しています。

◆今回のグリーティングカードに使用した家紋は「束ね萩」です。紫苑をモチーフにした紋そのものが存在しないため、萩(はぎ)の文様をお借りして紫苑色を表現することにしました。

◆萩と聞くと「和の花」というイメージがありますが、この「束ね萩」の紋は西洋風にも見え、可愛らしく華やかな印象を受けます。萩をこんなふうにデザインできる、昔の人のセンスと感性に畏敬の念を抱かずにはいられません。

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