「高貴な色、紫」×「歴史を動かした色、カーマイン」

2009.03.30

「高貴な色、紫」×「歴史を動かした色、カーマイン」
〈とらやミッドタウン店/日本の染め色展より〉

ヒマさえあれば立ち寄ってみる場所のひとつに、『とらや 東京ミッドタウン店』のギャラリーがあります。ここでは一年を通して、和菓子と関連の深い「日本の伝統文化」に関する展示が行われています。

2009年3月19日〜5月31日までは「日本の染め色展」
もう、いつもにも増して、いち早く出かけてきました!
お店の方に許可を頂き、展示物の写真を撮らせて頂いたので、少しだけご紹介します。

画像左…ギャラリー内 (部分)
天井から下がっているのは、植物染料で染め上げられた布。その下には、それぞれの色の原料となる樹木などが展示されています。

画像右…紫根とコチニールを掛け合わせて染めた、赤みの紫。

紫は昔から「高貴な色」として特別に扱われてきました。
それは、紫という色が、とても貴重な染料を用い、手間ひまをかけて染められた色だったから。

西洋では、紫色の染料を貝から採取し、クレオパトラが所有する帆船(はんせん)の帆の色は、その貝紫(かいむらさき)で染め上げられていたとか。

一方、東洋の紫は、紫草(むらさきそう)の根っこから採取しました。
画像右がそれです。紫根(しこん)とも呼ばれるこの根っこ、かなり鮮やかな赤みの紫だと思いませんか? 実は私も、間近で見たのは初めてでした。

そして、紫根の下の白っぽい小さな粒は「カーマイン(あざやかな赤)」の原料であるコチニール(カイガラムシ)です。一見すると、細かい砂利(じゃり)のように見えますが、中南米(主としてメキシコ)のサボテンに寄生するカイガラムシからは、あざやかな赤の染料が得られます。

コロンブスの新大陸発見によってヨーロッパに紹介され、一時は金に匹敵するほどの、高価な染料でした。もちろん、カリブ海に出没した海賊の戦利品としても超一級品。
「この染料の発見は、ヨーロッパの歴史を動かした」と唱える学者もいるほどです。

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