【その1/色見本帳】偉大な建築家、ル・コルビュジエの色

2011.08.06

スイスで生まれ、フランスで活躍した近代建築の巨匠ル・コルビュジエ。

仕事の関係でイタリア・フランスに出張していた家族からのお土産の中に、
『コルビュジエの色見本帳』がありました。

「コルビュジエの色見本帳???」

浅学な私は、コルビュジエといえば1920年代の白い建築物しか知らなかったので、
最初は「観光客用に作られた、根拠のない色見本帳なのでは?」などという考えが
ふと頭をよぎってしまいました。

しかし、「色彩に関係する資料はとにかく購入してきて欲しい」と頼んでいた手前、
そのまま放置するのはあまりにもったいない。

カラーパレットと一緒に付いていたパンフレットをよくよく読んでみたところ、
この色見本帳を発行している「kt.COLOR」というのは
スイスのチューリッヒに程近いアルプス山脈の麓にある塗料メーカーでした。

ル・コルビュジエ財団とのコラボレーションにより、許可を得て、
コルビュジエが使ったカラーパレットを再現し、それらの色を塗料として販売しているのです(インテリア用、エクステリア用)

しかも、1931年と1959年の二度に渡りコルビュジエ自身が刊行した色見本帳(salubra)に基づいたカラーバリエーションになっています!

この色見本帳に記載されている色は「kt.COLOR」の製品番号ということになりますが、1930年代に使用された色のシリーズ(LC32series)と1950年代に使用された色のシリーズ(LC43series)に大別されています。
LCとは、Le Corbusier (ル・コルビュジエ)のことですね!

ああ!

ここまで判明してようやく、今回のお土産の価値とありがたみを理解した私です。

※次回のコラムでは「コルビュジエの建築物の一体どこに、
こんなにカラフルな色が使われたのだろうか?」ということについて、
代表的な建築物とともにご紹介させて頂きます。

いつもお読み頂きありがとうございます。
感謝申し上げます。

 

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