お台場周辺の文様と色〜ゆりかもめ駅巡り【3】

2008.12.19

【画像左:芝浦ふ頭駅/中央:お台場海浜公園駅/右:台場駅】
—————————————
お台場周辺の文様と色〜ゆりかもめ駅巡り【3】
—————————————
新橋からスタートしたゆりかもめ駅巡り。ひと駅ずつ下車し、駅ホームに設置されている「文様の由来」を解説したボードを読み、何枚か写真を撮って……
最初はどうなることかと思ったのですが、平日の昼間は5分に1本の間隔で運行されているので、慣れてくると一連の作業を5分で終わらせ、次に来る電車に乗るというリズムができてきました。16駅すべて巡って約1時間半でした!

【芝浦ふ頭駅】は【露芝(つゆしば)文様】、色は【水浅葱色(みずあさぎいろ)】
露芝文様は、芝草と朝露を意匠化した文様で、古くからふすまやてぬぐいの柄として用いられてきました。

色について…藍染めの薄い色のことを「浅葱色(あさぎいろ)」といいます。その浅葱色よりさらに薄い色が、こちらの「水浅葱色(みずあさぎいろ)」です。藍染めの色は、その染めの濃さに応じてさまざまな名前が付けられ、区別されてきました。

余談ですが、明治8年に政府の招へいで来日したイギリス人化学者・アトキンソンは、日本人の日常に深く根づいている藍染めに目を見張り、「日本には、いたるところに青があふれている」と言ったそうです。ジャパン・ブルー(日本の青)といえば藍染めの青のことをさしますが、これはアトキンソンが命名したものです。
———————————————————————————–
【お台場海浜公園駅】は【老松(おいまつ)文様】、色は【松葉色(まつばいろ)】
老松文様は樹齢を重ねた老松(おいまつ)の枝を意匠化した文様です。松竹梅というように、松は昔からおめでたい樹木として人気がありました。能舞台の背景には老松が描かれています。

色について…松の葉のような深い緑色です。四季の変化がはっきりしている日本では、冬でも葉の落ちない常緑樹はおめでたいものの象徴とされてきました。「おめでたい緑色」としては、この松葉色のほかに常盤色(ときわいろ)があります。
———————————————————————————–
【台場駅】は【大波(おおなみ)文様】、色は【菫色(すみれいろ)】
四方を海に囲まれた日本では、さまざまな波の意匠が生まれました。大波文様のほかに波に関連する文様としては、立浪(たつなみ)・青海波(せいがいは)などがあります。

色について…英語のバイオレット(violet)のことを和名では菫色とよびます。万葉集にも登場するほど歴史の古い色ですが、明治・大正時代には合成染料で染め上げられた鮮やかな菫色がハイカラな色として愛されました。

※参考文献…『文様の手帖』尚学図書編集 小学館発行/『藍染めの歴史と科学』三木産業?技術室編集 裳華房発行

色彩コンテンツ

色彩コラム

カテゴリー

アーカイブ