染料にも食用色素にもなる「くちなしの黄色」

2009.05.11

染料にも食用色素にもなる「くちなしの黄色」

画像左…染め上がった「くちなし」のストール
画像中…「くちなし」の染料で色づけしたお菓子
画像右…店舗外観(藍染の濃淡の布が飾られていました)

『とらや・東京ミッドタウン店』で開催中の「日本の染め色展」にちなんで開催された、吉岡幸雄氏による「くちなし染めワークショップ」に参加してきました。

なぜ「くちなし染め」なのかといいますと、くちなしから採れる黄色い色は、布を染める染料としても、お菓子などに色づけする食用色素としても使われるからなのだそうです。
そういえば…おせちの「栗きんとん」を作る時にも、くちなしの実を使いますよね。

東京ミッドタウンタワーという超都会の会議室の中で、お湯の中にくちなしの実を入れ、ぐつぐつと煮出して染料を抽出し、手間ひまかけて染めあげたシルクのストールは、なんともいえない贅沢品です!
…というのも、染色といえば、普通は屋外で水をじゃぶじゃぶ使いながら行うもの。

会場となった会議室の床はすべてカーペットだったのですが、その上に大きなビニールシートで養生して染色体験をさせて頂いたのでした。お世話をしてくださったスタッフの方々のご苦労には、並々ならぬものがあったのではないかと思います。。。

しかし、参加者の一人である私自身は、めったに体験することのできない本格的な染色体験に大満足。帰りに、「くちなし」で色づけした上生菓子まで頂いて、まさに「くちなし」尽くしの一日でした (^-^)

ところで、頂いたお菓子の中に入っていた「しおり」に興味深い一節がありましたので、抜粋してご紹介します。
「和菓子は、まず菓銘を聴き、そして目で鑑賞し、香りを楽しみ、楊枝で切り、味わうという五感の総合芸術といわれております…」
なるほど、言われてみれば確かにその通りですね。

私のように、目で見て→わぁ、おいしそう!→(次の瞬間)パクッ!というのでは味わい方が足りなかったのかもしれません(^-^)ゞ
今度お菓子を頂く時には、この「五感で味わう」というのを試してみようと思います。

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