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栗色

【くりいろ】栗の実の表皮のような赤茶色。源氏物語の一節にも登場するほど古くからある色名です。「栗」が付く色名にはこの他にも、蒸した栗の実のような「蒸栗色(むしくりいろ)」や、熟して地面に落ちた栗のような「落栗色(おちぐりいろ)」などいくつかのバリエーションがあります。栗に関する色にこれほどまでのバリエーションをもたせるのは、日本人独特の感性といえます。

蜜柑色

【みかんいろ】蜜柑の表皮のような黄赤色です。ここでいう蜜柑とは国産の温州蜜柑(うんしゅうみかん)のことをいいます。温州蜜柑は江戸時代から日本各地で栽培され、その後アメリカやスペイン、イスラエル、トルコなどへ広まっていったそうです。薩摩(現在の鹿児島県)から出荷されたことから、アメリカでは温州蜜柑のことを「Satsuma-Mandarin(薩摩マンダリン)」と呼んでいるそうです。

肌色

【はだいろ】人の肌のような色で、日本人の平均的な肌色よりもくすみがなく鮮やかな色です。古くは「宍色(ししいろ)」「肉色」「人色」などと呼ばれていたこともありました。この肌色が健康的に日焼けすると「褐色」や「赤銅色(しゃくどういろ)」と表現することがあります。

栗皮色

【くりかわいろ】熟して落ちた山栗の皮の色のこと。江戸時代になると「四十八茶百鼠」といわれる程に茶色が大流行し、この色名は江戸後期から使われるようになりました。現代では、一般的に「栗色」と呼ばれます。

鳥の子色

【とりのこいろ】鳥の子とは雛鳥(ひなどり)のことではなく、雛鳥が産まれる前の鶏卵の殻の色を表しています。あからさまに卵殻色などといわず、間接的に「鳥の子」と表現したところがなんともユーモア溢れる楽しい色名ですね。

紅掛花色

【べにかけはないろ】花色の下染めに、紅を上掛けした、明るい青紫色のことです。江戸時代の色名は染色者が発案することがよくあり、この色名は染色の手順を表しています。

純白

【じゅんぱく】混じりけのない白のことです。白は清らかで汚れのない色の象徴として、古来より神事に使われています。

水色

【みずいろ】澄んだ水の色を表す、明るく淡い青色のことです。では、どうして無色透明な水が青く見えるのでしょうか?それは水の微粒子による光の散乱が主な原因です。もともと光には色はなく無色透明です。これを白色光(はくしょくこう)といいます。白色光の中には、青紫・藍・青・緑・黄・橙・赤のすべての波長が含まれていて、この白色光が海や川のなかに入ると、短波長である青系の波長だけが吸収されずに残り、水の微粒子などに当たって散乱し、水が青く見えるというわけです。

紅掛空色

【べにかけそらいろ】明るい空色に、紅色を染め重ねた、赤みがかった薄めの青紫色のこと。この色名は染色の手順を表しています。

珊瑚色

【さんごいろ】珊瑚には赤・桃・白などいくつかの色相がありますが、一般に珊瑚色といわれる色はやや黄みのある桃色のことをいいます。珊瑚は海底で群体をなして固着生活をするサンゴ虫の死骸が堆積したものです。この珊瑚を砕いて粉末にしたものは、中国伝来の絵の具として、古くから日本画に用いられてきました。