《縁起の良い色1》紅白はどうしておめでたい色なの?

2007.12.27

《縁起の良い色1》紅白はどうしておめでたい色なの?

カラーコーディネーターという仕事をしていると、時々素朴な質問を受けることがあります。例えば…「私の今日の服装はどうですか?」とか「子供がもっと勉強するようになるインテリアの色は何色ですか?」という具合です。

こういう種類のお尋ねに対しては色彩学を応用しながら具体的な「ご提案」をさせて頂く事ができるのですが、それよりももっと素朴な質問に対しては、答えられない事が時々あります。

それは数年前の事、
「どうして紅白はおめでたいのですか?」と聞かれて答えに窮し、「うーん、どうしてでしょうねぇ。昔からそうと決まっているみたいですが、由来はあるはずですよね。ちょっと時間をください。調べてお返事します。」という事がありました(笑)

赤と白が揃うとおめでたいとされる理由には諸説あるようなのですが、有力なものとしては…
《その1》日本人は昔からおめでたい事があると赤飯を炊き、餅を振る舞う習慣があり、ハレの日の食べ物として「赤飯と白餅」は全国的に一般化している。これが「紅白はおめでたい」という概念の基盤を形作っている。

《その2》室町時代の朱印船貿易において、中国は日本向けの品物に目印として紅白の紐をかけていた。これが「献上品には紅白の紐」という誤解を生み、紅白の水引のルーツになった。

この他に、源氏の旗の色は白、平家のそれは赤。敵味方が一同に揃うからおめでたいという説もあるようです。しかし、これはもともと合戦の時の敵味方を区別するための色なので、大晦日の『紅白歌合戦』や運動会での赤組・白組を解釈する場合に、より相応しいのではないかと思います。

※参考文献…『日本色彩学界ニューズ』2006年12月号(No.245)色彩文化雑感(大阪大谷大学短期大学部教授・須田勝仁先生による寄稿部分)

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