小さな秋見つけた!〜デイケア施設でのワークショップ【9月・その2】

2008.06.23

〈画像:左〉和紙で作った葉っぱいろいろ。一人分ずつ分けてあります。
〈画像:中央および右〉皆さんの作品です。個性が出ていますね!

小さな秋見つけた!〜デイケア施設でのワークショップ【9月・その2】

お月様のワークショップからちょうど一年後の2007年9月に実施した内容です。
A5版(大きなサイズのシステム手帳の大きさ)の台紙の上に、紙で作った木の幹や葉っぱを貼り、色づく秋を楽しみます。
台紙の裏にはあらかじめスタンドを付けてあるので、できあがった作品は立てて飾ることができます。

この日の参加者は15名だったのですが、出来上がった作品には実に多様な個性が表れました。同じ台紙・同じ形の木の幹・ほとんど同じ数の葉っぱを使っているのに、まったく違う表情なのです。参加者同士のコミュニケーションが自然と起こり、お互いの作品を誉めあう場面がたくさん見られました。

私たちのコンセプトは「大人のためのワークショップ」ですから、出来上がった作品がある程度立派でないと喜んで頂くことができません。そこで…葉っぱにこだわりました。上質な和紙を使い、クラフトパンチ(型抜き)で抜いたものを事前にたくさん準備。

和紙は手触りが暖かく、小さくても指先で取りやすく、見た目も本物の葉っぱにあるような陰影が感じられるので、大成功だったと思います。

(今回のカリキュラムは今野みどり氏・柴 広子氏のお2人が考案。葉っぱや台紙などの準備も、お2人が根気良く整えてくださいました)

■■■紅葉(こうよう)・黄葉(おうよう)・褐葉(かつよう)■■■
今回のワークショップは色づく秋を楽しんで頂くというものだったので、最初に紅葉(こうよう)に関するお話をしました。

私もこの時まで知らなかったのですが…落葉樹の葉が赤く変わるのを「こうよう」と呼び、黄色に変わるのを「おうよう」、褐色に変わるのを「かつよう」というのだそうです。ということは、イチョウの木が色づくのは正式には「おうよう」ですね!
もちろん一般的には、「こうよう」と言えば話が通じるのですが(笑)

普段、葉が緑色に見えるのは葉緑素(クロロフィル)があるためです。秋になって気温が下がり日照時間が短くなると、このクロロフィルが分解され、代わりに新たな色素が作られます。その色素が赤や黄、褐色だというわけです。

赤色はアントシアニンに由来する色だそうです。そういえば、わが家の小さなブルーベリーの木も、秋になると赤く色づいてから落葉します。ブルーベリーはその実にも豊富なアントシアニンを含んでおり、目に良いことで知られていますよね。

黄色はカロテノイドに由来、褐色はタンニン性の物質に由来するそうです。

ちょっと賢くなったワークショップでした。

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