《実りの色9》 葡萄色(えびいろ)

2008.10.24

《実りの色9》 葡萄色(えびいろ)

◆葡萄は「ぶどう」と読むのが一般的ですが、古い時代には「えび」といいました。葡萄色は、葡萄葛(えびかずら)とも呼ばれた山葡萄(やまぶどう)の熟した実の色です[画像中央参照]。平安中期の『延喜式』にも登場するほど歴史のある色名です。

◆江戸時代に入ると葡萄色(えびいろ)は伊勢海老の殻の色と混同され、「海老色」とも書かれるようになりました。この海老色(えびいろ)と区別するために、本来の葡萄色は「ぶどういろ」と呼ばれるようにもなりました。

◆色の歴史とはおもしろいものです。ある時、別のものと勘違いされ名前が変わってしまったり、混同されるのを防ぎ区別するために呼び名が変わったり。

◆今回のグリーティングカードに使用した家紋は「一房葡萄」というものです。ぶどうの家紋が存在するなんて、このカードをプロデュースする事になるまで全く知りませんでした!
文様の選定にあたっては、できるだけ色の由来をイメージできるようなものを組み合わせたいと考え、8000種類以上もの家紋が掲載されている家紋帳から時間をかけて選定しています。

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