紫ってどんな色?…今日のあなたは何色人間?(17)

2006.12.23

紫ってどんな色?…今日のあなたは何色人間?(17)

紫の心理的な側面をのぞいてみましょう。

《紫から連想されるイメージ》高貴な・古典的な・洗練された・上品な・下品な・不思議な

《紫の連想語》[抽象語]気品・神秘・伝統・優雅/[具象語]すみれ・紫陽花・風呂敷・着物・茄子

《紫にまつわるトピックス》

■高貴な色・神秘的な色と形容される事が多い紫ですが、その理由は「歴史上 最も手に入りにくい色であったから」と考えられます。
東洋では紫草の根(紫根)から採れる染料により紫を得ていたのですが、濃い紫に染め上げるには大変な手間がかかりました。一方 西洋では、ムレックスあるいはプルプラ(パープルの語源と考えられている)と呼ばれた貝の体液から紫を得ていました。2000個の貝からたった1gの染料しか採れなかったため、大変貴重な染料でした。一説によると、クレオパトラの所有していた船の帆の色は貝紫に染められていたのだとか。地中海沿岸ではすでに絶滅してしまったこの貝、メキシコではつい最近まで採取され、貝紫染めが行われていました。商業目的ではなく、村の男性が愛する女性にプレゼントするための糸を染めていたそうです。この貝は非常に波の荒い岩場に生息しているため、まさに命がけで紫を染めた訳です。死亡事故が絶えなかったため、ついに2001年、政府による採取禁止令が出されてしまい、今では「幻の貝紫」となっています。

■紫は傷病に対する治癒効果のある色とされていますが、実際に紫の染料には(紫根・貝紫ともに)強い殺菌効果があり、消毒や傷の手当に使われていたようです。

■日本の歴史においては、聖徳太子が冠位十二階を制定した際、最高位の色とされました。続く平安時代には「優雅さ」の象徴として、江戸時代には「粋」の象徴としてもてはやされたようです。

■紫は男性よりも女性に好まれる傾向があります。

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